コロナ大恐慌は起こるの? 現役質屋が考える | 高価買取なら創業大正9年の須賀質店
失敗しない質屋選び
失敗しない質屋選び

コロナ大恐慌は起こるの? 現役質屋が考える

最終更新日 2021年7月23日

最近はテレビを見ても新聞を見ても、新型インフルエンザ「コロナ」のニュースばかりが目立ちますね。医療の最前線の現場で、コロナと戦っているお医者様、看護師の方々には心から感謝の気持ちをお伝えいたします。また、コロナウィルスを終息させるために尽力されている政府関係者の方々、自治体の方々、ドラッグストアやコンビニエンスストアでご尽力されている方々にも、敬意と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

 

 

感謝いたします

さて、現役の質屋である須賀質店も、コロナウィルスで日々憂鬱な気持ちでいらっしゃる皆さま方に何か役に立つ情報提供ができないか、と考えたところ、やはりあの事件をお伝えしなければと考えました。今から12年前に起こったあの事件 リーマンショックを思い返すことが、現在のコロナショックのその後を考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

リーマンショックとは?

2007年ころから徐々にバブル景気に突入していた米国マーケットは、住宅ローンなどを取りまとめたものに証券化という手法で価値のある金融商品に仕立てて、投資家に販売することが行われていました。住宅ローンの中には優良なものもあれば、劣悪なものもありますが、取りまとめられて証券化によって高格付けがつけられれば、優良な投資商品として投資家は高値で購入していました。

 

 

マーケット上昇

しかし、証券化で高格付けがつけられた金融商品であっても、その実態はそれほど優良な内容でないことが徐々に明らかになってくると、本来の価値を理解している投資家から証券化された金融商品を売り始めます。しかし、リーマンブラザーズはこうした売りに出された証券化された金融商品が割安であると判断して、大量に購入することとしたのです。

 

 

しかし、証券化された金融商品の価格下落は止まらず、リーマンブラザーズの財務悪化も知れ渡ることとなりますが、リーマンと同様の投資銀行であるベアスターンズが2008年3月にFRBが救済した例があるので、リーマンも救済の手が差し伸べられると思われていました。ところが2008年9月15日に、予想に反してリーマンブラザーズは破綻してしまいました。このために、2008年秋から金融市場は大混乱になって、世界中の中央銀行が一斉に金融緩和をおこない、危機の封じ込めに動いたのでした。

 

 

救済が失敗した

リーマンショックで、ブランド品の価格相場も大暴落!

2008年9月のリーマンショックが起こると、金融マーケットは大混乱に陥って、株式、債券、為替いずれも乱高下することとなりました。しかし、金融市場だけでなく、質屋や買取業者が関心を持ってみている時計の買取相場、ブランドバッグの買取相場、金・プラチナの買取相場、ダイヤモンドの買取相場も、軒並み大暴落してしまいました。

 

 

特に印象に残っているのは、プラチナの買取相場の大暴落です。2008年9月ころは、18金の買取価格は1g 2,200円くらいだったので、現在と比較すると買取価格で半分以下ということになります。これに対してプラチナの買取価格(Pt850)は、1g 5,000円台だったのです。金とプラチナの買取価格は、現在の反対だったということもできますね。

 

 

プラチナ相場大暴落

2008年当時、高価買取価格を提示していたプラチナも、リーマンショックの影響から逃れることは出来ませんでした。というより、ブランド品や宝飾品の買取相場の中で、最も大きな影響を受けたのはプラチナだったかもしれません。その下落のスピードは、上記のグラフを見ればよく分かりますね。

 

 

2008年3月6日、1g 6348円の高価買取価格を付けたプラチナ850は、3月21日に買取価格で5,020円まで下落します。下落したプラチナの買取価格は5月22日に6,198円まで戻しますが、ここからずっと下がり続けて11月21日に買取価格1,982円まで暴落します。下落率なんと68%、このときプラチナを持っている方は大変な思いをされたことと思います。

 

 

リーマンショックの時、質屋は儲かったの?

リーマンショックの様な金融マーケットが大混乱になったときや、不景気になったときに、皆さんによく聞かれる質問があります。それは「景気が悪くなると、質屋は儲かるんでしょ」。でも、実際に質屋をやっていると、景気が悪くなったり、金融市場が混乱していると質屋は仕事がやりにくくなるのです。

 

 

それは何度かご案内していますが、時計の買取相場、ブランド品の買取相場、金やプラチナの買取相場が下落していると、いったいいくらの査定価格を付ければよいのかわからなくなってしまうからです。また、買取相場価格が下がるということは、質屋が抱えている商品も含み損が出ていることになるので、思い切った強気の査定が出来なくなってしまうのです。

 

 

コロナ大恐慌は起こるのか まとめ

現在も12年前と同様に、金融マーケットは大混乱に陥って、株価は乱高下を繰り返しています。質屋や買取業者が日々注目している、時計の買取相場やブランドバッグの買取相場、ダイヤモンドの買取相場なども大きく下落して、こうした高級ブランド品を持っている方はご心配なことと思います。

 

 

買取価格は持ち直した

2008年9月に起こったリーマンショックは、時計、ブランド品、金プラチナの貴金属、ダイヤモンドなどの相場も大暴落させて、質屋や買取業者に大きな損害を与えました。しかし、混乱が収まると、これらのブランド品の買取相場価格は持ち直してきたものです。

 

 

特に金の買取価格は、リーマンショック当時の2倍以上になっていますし、ロレックスの買取相場価格も当時より大きく値上がりしています。コロナショックで暴落してしまったブランド品の買取価格も、時間をある程度時間をかけて持ち直してくることが期待できると思います。

 

 

人類は過去にも様々な感染症と戦って、その脅威を克服してきました。その昔、ペストやコレラ、天然痘や黄熱病など、人類は勇気と知恵をもって病気と闘い、その脅威を封じ込めてきた歴史があります。今回のコロナウィルスショックの封じ込めも、困難を極めているようですが、一部の国では感染者が減り封じ込めに成功している事例も出てきているようです。

 

 

私どももコロナウィルスの封じ込めに少しでも役に立てるように、政府や行政の方々の発する情報に耳を傾け、自分たちにできる最大限の協力を惜しまない所存でおります。不要不急の外出をしない、三密を避ける、マスクの着用や咳エチケットを心がけるなど、出来るものから実行してコロナの終息に微力ながら協力したいと考えています。

この記事を書いた人
須賀兼一
代表取締役
平成16年4月より須賀質店の代表取締役を務めています。質屋のシステムやビジネスモデルについて、初めてご利用する方にもわかりやすく解説することを心がけています。質屋でお金を借りることは、銀行や消費者金融からお金を借りる手法にはないメリットがあるのです。現役の質屋でしか語れない「質屋の便利な使い方」について、当Webサイトで解説しています。