質屋には買取専門の質屋と、お金を貸してくれる質屋と、2種類あるのでしょうか? | 買取・質入れの須賀質店
失敗しない質屋選び

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質屋には買取専門の質屋と、お金を貸してくれる質屋と、2種類あるのでしょうか?

【質問】

 

質屋には買取専門の質屋と、預けてお金を貸してくれる質屋と、2種類の質屋があるのでしょうか??

 

 

 

【回答】

質屋というと皆さんが最初に思い浮かべるのが、中古のブランドバッグ、例えばルイヴィトン、シャネル、エルメスの中古品を店頭にたくさん置いて販売しているお店を想像するのではないでしょうか。または、ロレックス、カルティエ、パテックフィリップ等の高級時計の中古品ををショウウィンドーにならべて、ブティックのような店頭を思い浮かべる方もいるかもしれません。

 

質屋は、その業務の実態をあまりよく一般に知られていないのではないかというのが、業界に携わっている者の実感です。質屋そのものも時代とともに変わってきているので、現在は質屋自身の変革期かもしれないですね。

 

 

(1)そもそも質屋ってなんですか??

すこし堅苦しい説明になりますが、質屋とは質屋営業を営む者で都道府県公安委員会から許可を受けた者をいいます。ここでいう質屋営業とは、物品(有価証券を含む)を質に取り、流質期限までに当該質物で担保される債権の弁済をうけないときは、その質物をもって弁済に充てる約款を付して金銭を貸付ける営業をいいます。

簡単に説明すれば、お客様から品物を預かってその品物に見合ったお金を貸出し、期限までにお金を返してもらえないときは預かっている品物を処分して貸したお金を回収することを仕事にしている者、ということでしょうか。

この説明によれば、先の質問で言うところの「質屋で買取専門の店というのはない」ことになります。買取専門の店というのは「古物商」とか「リサイクルショップ」と呼ばれるものになると思います。

 

 

(2)質屋なのに、リサイクルショップの様な店舗のお店があるのはどうしてでしょうか?

質屋は品物の価値を判断する査定、目利きの能力があるので、店頭に持ち込まれた商品を預かってお金を貸すだけでなく、商品を買い取る業務も合わせて行っている店舗が多いのです。店頭で買取した商品(これを古物といいます)を自社の店頭で販売したり転売したりするには、古物商という別の許可が必要になりますが、質屋の多くは古物商の許可も合わせて持っていることが多いです。

質屋は、自社の店頭で買取した古物や流質扱いになった商品を処分して換金する手段の一つとして、店頭に並べて販売するようになってきたためリサイクルショップに似たような店頭になってきたと思われます。

また、最近では中古ブランド品の需要はとても多いので、販売に力を入れている質屋の中には中古ブランド品を古物オークション市場で仕入れて自社の店頭に並べて販売しているところもあります。楽天やヤフーオークションといったネット販売サイトを見ると、リサイクルショップとならんで質屋の出品している商品が数多く出品されている状況で、中古ブランド品の需要の多さを感じることが出来ます。

 

 

(3)質屋とリサイクルショップは、店舗の作り方に規制はあるのでしょうか?

質屋とリサイクルショップはいずれも都道府県の公安委員会の許可が必要なので、だれでもすぐに始めることができる仕事ではありません。質屋営業、リサイクルショップの営業(古物営業と呼ばれます)ともにその性質上、盗品等の犯罪被害品を取り扱うことが多く、犯罪抑止に密接な関係を有しているので、質屋営業や古物営業を一般的に禁止し、社会公共の秩序に影響を及ぼすおそれのないものに公安委員会が許可することによって、その営業を適法なものとしているのです。

 

そして、古物営業に店舗の作り方の規制はありませんが、質屋営業には預かった品物の保管庫の規定が明確に定められています(東京都の場合)。保管庫には、大きさや材質、構造などに細かな規定があり、設計図の段階、建築中の段階、完成の段階と、複数回の担当警察官のチェックがあります。こうした厳しいチェックの理由には、預かった品物を火災などから厳重に守り、泥棒に盗まれない、侵入されないされない構造を確保できる業者でなければ、質屋営業を許可しないという警察の意志があるからでしょう。

店頭を外から眺めただけでは分かりませんが、リサイクルショップのような華やかなイメージの店頭であったとしても質屋営業をしている店舗には敷地のどこかに堅牢な保管庫(質蔵)が存在します。

 

 

(4)質屋は許可を取らないと営業できないことはわかりましたが、許可の取得は難しいのですか?

質屋の許可取得は、店舗の所轄警察署を通じて行うことになり、手続きについては以下の書類を用意する必要があります。

 

①質屋許可申請書

②履歴事項全部証明書(会社謄本)

③代表者の住民票

④代表者の身分証明書(禁治産又は準禁治産の宣告を受けていない。後見の登記の通知を受けていない。破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていないことの証明書)

⑤登記されていないことの証明書(後見登記等ファイルに成年被後見人、被保佐人とする記録がないことの証明書)

⑥履歴書

⑦賃貸借契約書(物件を賃貸借して店舗を作る場合)

⑧保管庫の図面、構造概要書

⑨会社の定款

 

以上の例は法人の代表者が管理者を兼務する場合の例になります。複数質屋の店舗を運営する場合は、店舗ごとに管理人を決める必要があるために、支店を作る場合は上記の書類の③~⑧は代表者の書類と管理者の書類の2種類が必要になります。一般の方には④や⑤の書類は目にすることもないと思いますし、許可取得のためとはいえ履歴書が警察署に保管されてしまうのは、ちょっと心苦しいものがあります。質屋の中でも複数店舗展開している代表者は、それぞれの店舗の所轄警察署に自身の履歴書や身分証明書、登記されていないことの証明書が保管されることになりますから、あまり警察に迷惑のかかる行為はできないですね。

 

ここで重要なのは、上記の書類を準備し記入して所轄警察署に提出できるのは、預かった品物を保管する保管庫(質蔵)が完全に完成して、担当警察官がOKを出してからになります。ですから、もし物件を借りて新規に質屋営業を始めようとなると、営業許可をもらうまでで普通に4~5ヵ月くらいかかることになります。

 

許可取得までの簡単な流れは以下の通りです。

①物件を決定する

②内装業者が質蔵の構造図、店舗の内装図面を作成する

③作成した図面を警視庁の担当者、所轄警察署の担当者がチェックする

④図面のOKが出てから、内装工事に着手

(①から約1~2ヵ月かかります)

⑤工事途中に図面通りに質蔵が出来ているか、警視庁の担当者、所轄警察署の担当者がチェックする

⑥質蔵、営業店舗の内装工事が完了する

(①から約3~4ヵ月かかります)

⑦営業許可の書類を所轄警察署に提出(提出後、土日祝祭日を除いて50日前後で許可が出るようです)

⑧質屋の営業許可がでる

(①から5か月前後経過)

 

まとめ

こうして改めて考えてみると質屋営業の許可をもらうのは、書類の手続きの大変さよりも、場所の決定から許可取得までの時間が相当かかり、この間は一切営業ができない状態であることを考えると、まったく質屋営業に携わったことがない方が最初から始めようとするにはハードルが高いような気がします。

この記事を書いた人
須賀兼一
代表取締役
平成16年4月より須賀質店の代表取締役を務めています。質屋のシステムやビジネスモデルについて、初めてご利用する方にもわかりやすく解説することを心がけています。質屋でお金を借りることは、銀行や消費者金融からお金を借りる手法にはないメリットがあるのです。現役の質屋でしか語れない「質屋の便利な使い方」について、当Webサイトで解説しています。