試金石とは?貴金属判定での役割・使い方を解説| 創業大正9年の須賀質店
試金石とは、金やプラチナの貴金属を見分けるための黒い石のことです。「試金石ってどう使うの?」「自分の金製品が本物か調べたい」と思う方は多いかと思います。
本記事では、試金石を使った金の見分け方から、貴金属判定の現場で役立つ実践的なコツまで、わかりやすく解説していきます。100年以上の歴史を持つ、須賀質店が実務で培った経験に基づくポイントもご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
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試金石とは
試金石とは、金やプラチナなどの貴金属の品位を測定するために古くから用いられてきた黒色の硬質な石です。主に、粘板岩の那智黒石が使われます。理由としては、表面が滑らかで目が細かいため、貴金属をこすりつけたときに微細な粉末がしっかり付着するからです。
宝飾店や質屋では、試金石に金属を擦り残った条痕の色や硝酸への反応を観察することで、真贋や純度を短時間で判別します。専門的な分析機器がなくても現場で即座に一次判定ができるため、今でも実務で重宝される道具です。
また、ビジネスシーンでは「試金石」という言葉が比喩的に使われ、製品の市場性や企画の実現可能性を測る基準という意味で「〜の試金石となる」といった表現が定着しています。
試金石による貴金属の判別方法
試金石による判別は、5つの手順で進めます。石の準備から硝酸による最終判定まで、順を追って実施することで正確な品位測定が可能です。
①試金石の準備
試金石は、使用前に表面を清潔な布で拭き、前回の付着物や汚れを完全に除去します。硝酸などの試薬、拭き取り用の布、比較用の標準金サンプルを手元に揃えます。その際、安全性と正確性を担保するため、必ず換気の良い場所で作業するようにしましょう。
②調べたい金属を試金石にこすりつける
調べたい貴金属の端部分を試金石の平面に軽く押し当て、一定方向に数センチの線を引くように滑らせます。力を入れすぎず、表面に金属の微粒子がうっすら付着する程度にこすることがポイントです。
複数回繰り返すと条痕がはっきり見えるようになり、次の工程での判別精度が高まります。
③試金石に付着した金の量と色を確認
こすりつけた後、試金石の表面に残った条痕の色と光沢を目視で観察します。純金に近いほど鮮やかな黄金色で濃く残り、合金や低品位の場合は薄く白っぽい色調になります。
この段階で大まかな品位を予測でき、熟練者であれば色味だけでもある程度の純度を推測できます。
④削った場所に硝酸をかける
付着した金属の条痕にスポイトで硝酸を一滴垂らし、化学反応を観察します。純金は硝酸に溶けないため線がそのまま残る一方、銀や銅などの不純物は泡を出して溶解し消失する性質があります。
一般的に14金(58.3%)以上の品位であれば金の条痕は残りますが、それ以下の場合は酸によって消失することが多いです。
⑤金属の種類や純度を判断
硝酸処理後に残った条痕の状態を標準サンプルと比較し、最終的な品位を判定します。完全に残っていれば純金や高品位の証、部分的に溶けていれば18金や14金相当、完全に消失していればメッキや低品位合金と見なせるでしょう。
試金石とは、この一連の流れで迅速に真贋を見極められる実用的な手法であり、現在も質店や買取店の現場で広く活用されているのです。
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試金石を使った判別方法の注意点
価値を損ねるリスクがある
試金石とは貴金属の表面を直接こすりつけるため、アンティークジュエリーや彫刻の施された工芸品では目立つ傷が残り、美術的・歴史的価値を損なう恐れがあります。
そのため、刻印や装飾部分を避け、裏側や内側の目立たない箇所で試すこと、作業後は速やかに中和・洗浄することが重要です。希少品や高額品の場合は、試金石とは異なる非破壊検査を優先すべきです。
正確に判別できない場合がある
表面にメッキや酸化皮膜が施されている製品では、試金石による判定が内部の実際の品位を反映せず、誤った結論に至る可能性があります。また、複雑な合金や多層構造の製品は、硝酸の反応が一様でなく、熟練者でも判別が難しいことがあります。
試金石とはあくまで簡易的な判定法であり、最終的な品位証明や高額取引では、より精密な機器による検査が推奨されます。
貴金属の判定・買取なら須賀質店
須賀質店は大正9年創業、100年以上の実績を持つ老舗質屋として、金・プラチナをはじめとする貴金属の査定と高価買取を行っています。
試金石とは基本的な判定法ですが、当店では専門機器と熟練鑑定士の目利きを組み合わせ、メッキ品や複雑な合金も精密に見極めます。傷をつけない品位測定に対応しており、お客様の大切な品物の価値を最大限に評価いたします。
金製品の売却を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
関連リンク:https://www.sugashichiya.com/
まとめ
試金石とは、金の真贋・品位判別のために石にこすりつける、伝統的な見分け方です。準備から硝酸処理まで5段階で実施し、短時間で結果が得られる実用性が魅力ですが、価値を損ねるリスクや誤判別などの注意点も存在します。
初心者が自宅で試す際は目立たない箇所で慎重に行い、高額品や希少品は専門店での精密検査を推奨します。須賀質店では試金石とは異なる最新機器も活用し、お客様の大切な貴金属を正確に査定いたします。

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