シャネルの偽物と本物の違いについて詳しく解説します!
「シャネルのバッグを購入しようと思っているけど、どのように本物を見分けたら良いかわからない。」「本物と偽物を見分ける方法について詳しく知りたい。」シャネルの製品を購入しようとしている方で、本物と偽物の見分け方について気になっている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、シャネルの製品の本物と偽物の違いについて詳しく解説します。
最初に申し上げておきたいのですが、こちらのページでのご案内は、偽物の流通を賞賛したり認めるような内容ではありません。また、シャネルバッグや財布に偽物が多い、といった内容でもありません。逆に、偽物やコピー品の流通については現役の質屋として何とか阻止したい、絶対に辞めてもらいたいという意識でいますので誤解のない様にお願いいたします。
さて、残念なことではありますが、シャネルなどの高級ブランド品で、正規ブティック以外の店舗や正規ブティック以外の店舗が運営しているWebサイトから購入した商品の中には、「本物とは思えないバッグや財布」が販売されているのが事実のようです。
最近では、メルカリなどのフリマアプリを使えば、個人間でも簡単にシャネルなどのブランド品を売買できるようになったために、こうした「正規店で購入したかどうかわからない」というブランド品の中にも、質屋として毎日シャネルのバッグや財布を鑑定している者として、「偽物のシャネルの製品ではないか」と思いたくなるような画像や品物が掲載されていることがあります。
シャネルなどのブランド品と類似した商標がつけられたバッグや財布、時計などを、譲渡のために所持する行為は、商標権の侵害とみなされる行為であり処罰の対象になります。偽物の売買は犯罪行為でもあるので、須賀質店では絶対にお勧めをしていないという前提でお読みください。
シャネルなど高級ブランド品の、コピー商品のランクについて
さて、高級ブランド品のコピー商品には、ランクがあるといわれています。このランク付けは、コピー商品や偽物を扱う方々が独自に決めたのかどうか、その根拠は良くわかりませんが、このコピー商品のランクとは、コピー商品の質を表すために設けられた基準のようです。
中古ブランド品の状態を表すランク付けにも似たような表記があるので、それをそのままコピー商品や偽物に当てはめているのかもしれませんが、A、S、SS、Nの4ランクで分けられているようです。このコピー商品や偽物のランクが、それぞれがどのような評価であるのか詳しく解説します。(ただし、質屋の現場で買取や質入れをおこなっている現役質屋が、想像した話としてお読みください)
Aランクのコピー商品や偽物
Aランクと呼ばれるコピー商品や偽物は、誰が見ても偽物だとわかるような商品に付けられるランクです。たとえばシャネルの例でいえば、一般の方でも「こんなシャネルのバッグはあったかな?」とか「CHANELのロゴマークがなんか変だな」と思えたり、バッグや財布に使われている材質の質が低く、雑に作られていることが多いです。
とうぜん、費用をかけずに生産できるので、大量に出回っているという特徴がありますし、質感が悪いので、本物のシャネルのバッグや財布を持っているユーザーが手に取れば、すぐに偽物であるということを気付かれてしまいます。
皆さんの中で、そもそもシャネルのコピー商品や偽物を購入することを考えている方はいらっしゃらないと思いますが、現役質屋の立場で申し上げれば「Aランクのシャネルのコピー商品や偽物」は偽物でありながらクオリティも低いので、購入するのは恥ずかしいものであると認識しておくと良いでしょう。
Sランクのコピー商品や偽物
Sランクのシャネルのバッグや財布では、一応天然の革が使用されているものの、質が低くて「本物のシャネルのバッグや財布」を手にしたことがある方であれば、すぐに違和感を感じるような製品が多いです。
また時計では、汎用品のムーブメントを使用しているために、自動巻きの時計の場合、本物ではこうしたローターの動き方はしないな(←時計を振った感覚で微妙にわかるのです)とか、リューズを回して時間調整をしようとしたときに、リューズを手前に回しているのに長針と短針が本来の動き方と逆だったりとか、長年鑑定士をしていると見につく知識から、「本物ではないかもしれない・・・」という感覚になることがあります。
こうした説明によりご理解いただけるかもしれませんが、Sランクは一応Aランクよりも質の高い素材を使用しているものの、本物のシャネルのバッグや財布、時計と比較して、明らかにクオリティが低い製品に付けられるランクです。
本物と比べると断然質が低いことがわかるので、Aランク同様偽物であると気付かれる可能性は高いことは知っておくと良いでしょう。当然、質屋や買取店に常駐しているような鑑定士には見抜かれているので、「この方は信頼できるお店で、シャネルなどの高級ブランド品を購入していないのだな」という感覚になりますね。
SSランクのコピー商品や偽物
SSランクは、AランクやSランクの偽物製品と比較して、より精密に作られたものにランクづけられます。バッグでは、高級な天然革が使用されており、時計では細かな部品の隅々まで磨き上げられていて、質感が少し上がったような感覚がいたします。
しかし、本物で使用されている素材と比べて材料の革の質が劣るので、よく見て手に取って見れば本物との違和感を感じます。特にシャネルの場合は「キャビアスキン」と呼ばれる表面に凹凸のある素材を使っていたり、「ラムスキン」と呼ばれるしっとりとした手触りの、柔らかい羊の革を使うことが多いので、本物のシャネルのバッグや財布を普段から触っている方はすぐに判るはずです。
しかし、バッグ、財布、時計ともSSランクになると、シャネルの製品に詳しくない方、シャネルの製品を手にしたことのない方であれば、偽物であると気付かれなくなるでしょう。
Nランクのコピー商品や偽物
Nランクのコピー商品や偽物は、本物とほとんど同じように精密に作られたものにランクづけられます。バッグでも時計でも、本物と同じような手触りの革を使っていたり、時計などの細かな部品も丁寧に仕上げてあったりします。
また、バッグや財布、時計などのいずれも、全体的な仕上げや作りこみは非常に丁寧に作られており、一般的な方が見て、偽物やコピー商品であることにであると気付くことは難しいでしょう。
質屋の店頭で質入れや買取をおこなっていると、細かく鑑定をしてゆくと「どうもいつも扱っているシャネルのバッグと手に取った感覚が違うな」とか「シャネルのロゴマークやタグの書き方が異なっているな」という商品が持ち込まれますが、多くの場合精巧に作りこまれたNランクの偽物やコピー商品であることが多いです。
しかし、いくら本物と似たように作られていると言っても、本物の製品について十分な研修を受けて、たくさんのシャネルのバッグや財布を扱っている鑑定士であれば偽物やコピー商品であると見抜けます。
シャネルの偽物と本物のチェックポイント
これまでに、シャネルのバッグや財布、時計を例に、偽物商品のランクについて詳しく解説しました。Aランクなどの低いランクであれば、どんな方でも見抜けるかと思いますが、Nランクなどの精密に作られた製品を見抜くことは難しいと考える方は多くいらっしゃると思います。そこで、偽物と本物の製品を具体的に見抜く方法について簡単に解説します。
本物と偽物、コピー商品を見抜くポイントについて詳しい解説をすることは、こうした不正品の流通を認めるように思われてしまうと考えましたので、簡単な解説にとどめています。そして、最後のまとめの個所で「シャネルの偽物と本物をチェックする、一番簡単で確実な方法」について解説いたします。
シャネルのギャランティーカードをチェックする
シャネルのバッグ、財布には「ギャランティカード」と呼ばれる、クレジットカードくらいの大きさのプラスチック製ののカードが付いていて、シャネルのバッグ、財布で、本物か偽物か見分けるために特に大切なポイントになっています。
ギャランティーカードには、数字、文字、ホログラムのマークがある上に、シャネルのギャランティカード特有のバランスというか、見栄えがあります。多数のシャネルの製品を扱った経験のある鑑定士は、小さなギャランティカードに書かれている様々な情報をもとに鑑定をしているといわれています。
ギャランティカードをはじめ、高級ブランドメーカーにはそれぞれ使用する「数字のフォント」というものがあり、当然シャネルにはシャネルのフォントがあります。また、ホログラムなどは見る角度や当てる光によって見え方が変わるので、現場の鑑定士はこうした知識も持って鑑定を行っているのです。
そして、シャネルのギャランティカードや取り扱い説明書には、日本語での案内や取り扱い方法を記載した部分がありますが、この日本語の言い回しが??なカードや取り扱い説明書を見たこともありますが、こうしたカードや取り扱い説明書がついたシャネルの商品は偽物やコピー商品である確率は高いですね。
シャネルのロゴマークをチェックする
シャネルの製品において、偽物やコピー商品を見抜くためにロゴを見ることは大切であるといえます。C、H、A、N、E、Lの6文字を重点的に見て、本物の商品の字体やフォントを覚えておくことは大切でしょう。
シャネルのロゴに使われている「C、H、A、N、E、L」のアルファベットには、どの文字にも独特のバランスや長さがあって、本物の商品を見慣れている鑑定士であれば、このアルファベットの独特のバランスが崩れたC、H、A、N、E、Lのアルファベットには、違和感を感じるものです。
詳しいフォントのバランスに関しては解説しませんが、どんなに本物を真似て精巧に作った偽物やコピー商品であっても、オリジナル商品のすべてのバランスやフォント、色使いまで真似ることは出来ないのです。その理由を簡単に申し上げれば、偽物やコピー商品は「安く、大量に、簡単に」作れなければ作って売る意味はないからです。
シャネルのバッグや財布についている金具
金具を見ることも、偽物を見抜くために非常に有効です。シャネルの製品では、留め具のネジで、マイナスの物が基本的に使用されています。しかし、偽物の商品であれば、プラスの物が使用されていることも多いです。また、偽物やコピー商品はでは、メッキの質が悪いのでメッキが剥がれていたり、本物と比較して金色の色使いが異なっていることがあります。
シャネルの偽物と本物の違いについて まとめ
今回は、シャネルの製品の本物と偽物の違いについて解説してみました。質屋として店頭で買取や質入れをおこなっていると「このバッグが本物かどうか見てもらえますか」「この財布を鑑定してください」という依頼を受けることはかなりの頻度であります。電話やラインの問い合わせも、毎日のようにあります。
メーカー別の頻度としては、そのメーカーの製品の流通量を反映しているのか、ルイヴィトンの問い合わせが多く、シャネルの問い合わせ頻度も多いです。それほど、本物かどうかわからないシャネルの製品が出回っている、ということなのでしょう。
このページではシャネルの製品を例に、偽物やコピー商品のランクの話や、偽物かどうかを判断する方法について解説をしてみました。ただ、何度も申し上げていますが、偽物やコピー品の売買は絶対に押し示しませんし、質屋はブランド品メーカーの技術者ではないので、本物か偽物かを判断できる立場の者ではありません。
質屋や買取店で「当店では取り扱えません」「当店では取り扱い基準外の商品です」という回答があれば、偽物かコピー商品である可能性が高いといえます。そして偽物やコピー商品を手にしない一番簡単で確実な方法は「正規メーカーブティックで購入する」ことです。
そんなの当たり前じゃないか、とお怒りの声が聞こえてきそうですが、シャネルだけでなく他の高級ブランド品も正規メーカーブティックで購入すれば、絶対に偽物やコピー商品を入手することはありません。このページの最初の部分で「シャネルのバッグを購入しようと思っているけど、どのように本物を見分けたら良いかわからない」「本物と偽物を見分ける方法について詳しく知りたい」と切り出したのは、質屋として買取や質入れの現場にいると、この手の問い合わせはかなり多いのです。
ですから、「シャネルの本物と偽物を見分ける方法」を調べるくらいにご心配であれば、「正規メーカーブティックで購入する」ことを強くお勧めいたします。では、新品でなく中古品も含めてシャネルのバッグや財布の購入を考えているのであれば、どうすれば良いのでしょうか。
中古品のシャネルの商品の購入を考えた場合、購入する店舗の実績や信頼を十分に検討する必要があります。過去にシャネルの中古品のバッグや財布の販売実績が多い、シャネルだけでなく他の高級ブランド品の中古バッグや財布の販売実績が多い、といった店舗で、創業から長く営業を続けている店舗であれば安心でしょう。
高級ブランド品の中古品は、どんなに注意深く鑑定、検品していても、多くの商品の中には偽物やコピー品が紛れ込んで、これを一般ユーザーに販売してしまうことは、まれなことではありますが在りうることなのです。高級ブランド品の販売実績が多く、長い業歴のある店舗であれば、こうした販売の誤りに対して誠実に対応をしてくれるはずです。
もし皆さんが、高級ブランド品であるシャネルのバッグや財布の中古品を買いたいと思っているのであれば、質屋、リサイクルショップ、中古ブランド品店など店舗の業態を問わず、長く信頼のある営業を続けてきた店舗を選ぶことをお勧めいたします。
